昨年の春から夏にかけて、HATAKE CLUBが利用している畑にて「獣害防護柵」のリニューアルを行いました。
この辺りはシカやイノシシによる被害が多い地域なのですが、柵をしっかりと設置しなおしたおかげで、これまでのところシカやイノシシによる獣害は発生していません。
ただ昨年末あたりから、畑で「ヌートリア」を頻繁に目撃するようになりました。
今回リニューアルした柵は、大型の獣の侵入防止を目的としたものです。ワイヤーメッシュなどを利用しているため、メッシュを通り抜けることのできる小動物は畑に入り放題です。
畑には何台かのIoTカメラが設置してあり、定期的に畑の写真を自動撮影しているのですが、確認したところヌートリアの写っている写真がたくさんありました。
コマツナやニンジンなどの農作物も食べられており、早急に対策する必要があります。
ヌートリア対策について、以前よりお世話になっている京都大学の先生にアドバイスをいただきました。
ヌートリアは特定外来生物なので、基本的には行政に連絡して捕獲をしてもらうのが良いようです。
また防護方法としては、既に設置している柵の下側に追加で亀甲金網を取り付ける、柵のワイヤーメッシュを二重にし、それらをずらすことでメッシュの目を細かくする、などの方法が考えられるとのことです。
プラスチック製のネットや波板では齧られてしまう恐れがあるそうです。
また、岡山理科大学でヌートリアの研究をされている先生にメールで問い合わせてみたところ、お返事をいただくことができました。
ヌートリアは地面を掘って侵入するので、金網をヌートリアが侵入してくる方向に20センチぐらい折り曲げるのが効果があるようです。やはりプラスチックのネットは噛み切られることが多いそうです。
水辺から侵入してくる経路を見つけ、そこに障害物を置くのも効果があるとのことです。ヌートリアは面倒くさがり屋なので、障害物をいくつも設置しておくと面倒になって侵入をあきらめることが多いそうです。
なお、駆除をしてもまたすぐ別の個体がやってくるので、駆除の効果は期間限定的とのことです。
市役所にも問い合わせました。
回答としては、まずは獣害防護柵を設置して対処してください、それでダメなら市に申請書を提出してください、その場合は地域の猟友会に捕獲用のワナを設置してもらうことになります、というものでした。
巣を壊したり、巣にいるヌートリアに嫌がらせするのは絶対ダメとのことでした。
これらのアドバイスを踏まえ、メンバーで相談した結果、まずは獣害防護柵の下側に金網を追加設置し、それでもダメなら行政に捕獲依頼をすることとしました。
追加設置する金網は、畑の外側に20センチ程度折り曲げ、ヌートリアがその下に潜り込めないよう、U字ピンで地面に固定することとしました。
週末毎にメンバーが集まって作業を行うことにしました。ただ一度に対策できる範囲は限定的で、その後も対策の甘いところから入られ続けました。
それでも、金網を捲られたところは金網を追加したり、穴を掘られたところにはU字ピンを追加で打ち込んだりと、泥臭く対策を続けました。
ヌートリアの侵入経路らしき場所も見つけたので、そこに枯れ枝などの障害物を置いたりもしました。
1月中旬から始めたヌートリア対策の作業は結局、3月中旬までかかりました。
その後は、これまでのところは大丈夫なようです。
あとは、ヌートリアが完全に諦めてくれることを祈るばかりです。
この冬はヌートリア対策でとても大変でしたが、これでヌートリア以外の小動物による被害も防ぐことができそうです。